宮古島から全国狙う 全琉アマゴルフ1打差2位 多良間伸平


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13番ホールでショットを放つ多良間伸平=3月30日、名護市のカヌチャゴルフコース(又吉康秀撮影)

 第55回全琉アマチュアゴルフ選手権最終日、3月30日の一般の部決勝最終組に宮古総実高2年の多良間伸平の姿があった。この日は持ち味のアイアンの切れがよくイーグルも飛び出し「いい戦いができた」。予選から3日で最も伸ばした1アンダーの71で回り、通算6オーバー222で首位と1打差の2位に入った。日ごろは宮古島で練習し、長い休みには名護市の大北練習場で宮里優氏の指導を受けて武者修行を積む16歳が、こつこつ力を伸ばす。

 野球少年だったが、砂川小4年の冬にテレビゲームで遊んだゴルフに魅せられ、5年で本格的に競技を始めた。宮古島では周囲に切磋琢磨(せっさたくま)する同年代が長らくおらず、今でも「中学生に1人いる」だけという。地元のゴルフ場やホテルのコースをジュニア向け料金の格安で利用させてもらい、ゴルフ雑誌を参考に父・伸也さんの指導も受けた。

 砂川中2年からは春や夏の休暇に大北練習場に滞在し、宮里氏に学ぶ。癖の修正をはじめ、スイング、アプローチ、コースの攻め方などで「力をつけてきた感じがある」と進化を果たす。昨年はいわて国体で少年男子団体5位。県総体で6位、高校新人大会で5位入賞と表彰台に手が届く位置につける。

 全琉アマ決勝では、優勝した日本男子代表の玉城海伍(首里高―大阪学院大)や、富本虎希(興南高―大阪学院大)ら先輩たちと共に刺激的なラウンドを回った。イーグルはロングの12番(パー5)。ティーで170ヤードを飛ばし、残り約250ヤードから7番アイアンでベタピン50センチに振り、3打で仕留めた。バーディー狙いのロングをきっちりと仕上げてみせ、決勝を1イーグル2バーディー3ボギーと手堅くまとめた。

 昨年入学した宮古総実高では、1人で同好会を立ち上げた。本島進学も考えたが、安価で練習できる環境に恵まれることに感謝し「宮古で頑張ろう」と決め、ここまできた。狙うは九州や全国大会での上位入賞だ。「常にアンダーで回り、落としてもしっかりリカバリーしてパーを拾いたい」。理想のゴルフを追い求める毎日は、楽しくてしょうがない。
(石井恭子)