中東オスプレイ事故 「クラスC」に格下げ 大破は「自ら破壊」理由


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 今年1月29日に中東イエメンで発生した米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの事故について、米海軍安全センターが、事故直後には最も重大な「クラスA」に分類していたものの、その後に同等級の事故リストから削除していたことが1日までに分かった。米海軍安全センターが琉球新報の取材に対し、事故を「クラスC」に格下げしたと明らかにした。

 事故はイエメンでの特殊作戦中に発生した。米海兵隊によると事故機は「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」した。その損傷で再度の離陸ができない状態となったため、米軍は機密保持を理由に自ら事故機を破壊し、機体は大破した。大破したオスプレイの価格は1機約8千万ドル(約88億円)。

 事故を最終的に「クラスC」と評価付けたことについて、米海兵隊は「ハードランディングの後になされた作戦上の決定は、事故の等級付けに影響しない」と説明した。

 その上で機体の大破について「復旧するリスクが機体を破壊するリスクを上回っているためと判断した。現場で整備を行うのではなく破壊するという運用上の決定がなされた」とし、機体の致命的な損傷は「ハードランディング」が主な理由ではないとの認識を示した。

 米海兵隊が米議会への報告などで採用している10万飛行時間当たりのクラスA事故の発生率は「飛行中」の事故のみを反映し、機体が地上にある間の損傷は含まないこととなっている。