キングス4位浮上 Bリーグ第48戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区5位=22勝25敗)は1日、沖縄市体育館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(同2位=23勝24敗)と今季第48戦を行い82―76で競り勝ち、2位の大阪とゲーム差なしの4位に浮上した。

 第1クオーター(Q)は両チームが点を取り合う接戦となった。第2Qの序盤まで互いにリードを奪い合う展開になったが、キングスはダブルチームなど積極的な守備でリズムをつかみ、津山尚大の3点弾などでリードを広げた。

 45―32で迎えた第3Qも守備が機能してリードを維持した。しかし第4Qに名古屋Dが3点弾で猛攻を仕掛け、一時は3点差まで詰め寄られた。キングスはミスが続いて崩れかけたものの、金城茂之やラモント・ハミルトンが要所で点を重ねて名古屋Dを振り切った。

 名古屋Dとの第2戦は2日午後1時から同体育館で行う。(観客2975人)

キングス 23勝25敗
 82―76(19―20,26―12,20―19,17―25)
名古屋D 23勝25敗

 【評】守備から主導権を握ったキングスが、名古屋Dの猛追をかわした。クロスゲームとなった前半にキングスが激しい守備を仕掛けてリードを2桁に広げた。後半もキングスが好守備を維持したものの、名古屋Dの3点弾が当たり出すとキングスは劣勢に回った。試合終盤まで競り合ったが、キングスが着実に加点して白星をつかんだ。名古屋Dは前半の出遅れが響いた。(平安太一)

◇沖縄全体で取れた1勝
 伊佐勉HC(キングス)の話 警戒していた名古屋の3Pを前半はゼロに抑えたが後半6本決められ、相手に追い上げられた。歓声で相手シュートが外れたこともあり、沖縄全体でもぎ取れた1勝だ。明日の試合のため、さまざまな要素をまた一から見直していく。

◇前半はバスケできず
 レジ―・ゲーリーHC(名古屋D)の話 前半は名古屋のバスケができなかったが、後半は琉球のターンオーバーを誘って積極的にいけた。琉球の守備が強いのは分かっていたが、相手13番(津山尚大)の3Pが5本決まり、名古屋があまり入らなかったのが残念だ。

◇津山 3点弾でけん引 「自分のプレー大事にできた」

キングス―名古屋D 第2Q アンソニー・マクヘンリーからのパスを受け、3ポイントシュートを放つキングスの津山尚大=1日、沖縄市体育館(具志堅千恵子撮影)

 キングスのホームコートにかかった2本のアーチが、チームに勢いを付けた。接戦となった第2Qの序盤、堅守で相手のミスを誘発して好機をつくると、津山尚大が2連続で3点弾を決めた。伊佐勉HCは「津山らしいシュートだった」と口元を緩める。この日は5本の3点弾を沈めてチームを引っ張った津山は「自分のプレーを大事にできた」とうなずいた。

 得点力のあるレイショーン・テリーが右膝の違和感、田代直希が左足の軽い捻挫のため、コートに立てなかった。苦しいチーム事情だったが、津山は「僕も点を取ることを意識した」。第1Qから豊富な運動量で相手守備を振り払い、シュートチャンスを確実に点につなげた。それでも津山は「チームでつくったシュートを決めただけです」と仲間に感謝する。

 相手に厳しくプレッシャーを与える堅守も光り、第3Qには最大で20点のリードを奪った。しかし、ここからミスを繰り返し、第4Q終盤には3点差とされた。伊佐HCは「疲れから足が止まっていた。20点差からもう一段、ギアを上げるチームにならなければいけない」と選手の奮起を促した。

 2位以上に与えられるチャンピオンシップ進出に近づくためにも、第2戦も勝利することが重要になる。津山は「まだまだ満足していない。もっとドライブやアシストを決めたい」と次戦でも躍動することを誓った。(平安太一)