贈る言葉は「ありがとう」 教諭の“卒業”祝う 伊江・西小


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 【伊江】「卒業生入場」のアナウンスが体育館に響いた。多賀明彦校長の後に続いて入場したのは渡久地愛子教諭。3月27日、伊江村立西小学校体育館で定年退職を迎えた渡久地教諭の「卒業式」が宮里徳成教育長をはじめ、児童や保護者、職員らが出席して行われた。

卒業式に出席した児童、保護者、職員らと中央で証書を手にする渡久地愛子教諭=3月27日、西小学校体育館

 学事要覧では渡久地教諭のこれまでの赴任学校が紹介された。卒業認定・卒業証書も授与された。在任職員らは「私たちは学び続ける愛子先生を慕い続けます。私たちから贈る言葉はありがとう」と読み上げられた。また1984年に本採用になってから2017年度3月までの33年間の活動を振り返るビデオレターも放映された。最後には家族からの温かなメッセージもあり、涙する場面もあった。

 渡久地教諭は「体育館で卒業のセレモニーがあるから来てくださいと言われ、来たらびっくり。こんなに盛大な卒業式を挙行してくれてありがとう。西小っこの優しさを忘れず、西小学校の歴史をつくってください」とあいさつした。また「勝連小学校で再任用が決まっているので、その任期が終わったら特別支援教育に携わっていきたい。特別支援教育士の資格を生かし、その教育を広め後輩を育成することに努めたい」と語る。

 セレモニーを企画発案した西小学校職員クラブ長の上間洋介教諭は「退職を控えて、さらに学び続ける愛子先生の卒業式をサプライズで実施したいと児童や保護者に呼び掛けた。愛子先生に受け持ってもらった2年生、3年生、特別支援の学級の子どもたちら多くの児童が集まり、卒業式が挙行できて良かった」と話した。

 渡久地教諭は14年に西小学校に赴任した。1年生の担任や特別支援学級の担任として指導力を発揮した。特別支援教育の指導に優れているとして第2回琉球新報教育賞を受賞した。(知念光江通信員)