米政府職員として沖縄返還に携わったサム・キタムラ氏(90)が3月25日、カリフォルニア州の沖縄県人会ヤマウチ・ビルディングを訪れ、大嶺政寛画伯(1910~87年)の絵画や沖縄関連の書籍などを寄贈した。
キタムラ氏は、東京出身の両親のもとハワイで生まれた。58年にハワイ大学で修士号を取得。在日米軍や米大使館に勤務した。沖縄返還に携わるなど、日米の外交防衛問題の専門家として活躍した。
キタムラ氏は沖縄について「島国の宿命として、太平洋の軍事拠点になっている」とした上で「豊かな観光資源を持っており、人の温かさがある」と述べた。
キタムラ氏が今回寄贈したのは個人的に親交があった大嶺画伯から60年代に贈られた貴重な油絵など。
キタムラ氏は「沖縄県人会館の壁に絵が飾られることになれば、故人も草葉の陰で喜ぶだろう。沖縄の生んだ著名な画家の作品を通して、多くのウチナーンチュに沖縄への誇りを感じてほしい」と話した。
(当銘貞夫通信員)