辺野古、沖縄県が行政指導へ 破砕期限切れ、防衛局は海底掘削続行


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、防衛省沖縄防衛局は3日、沖縄県の岩礁破砕許可が3月31日に切れて以降、初めて海上作業を実施した。

 県は同日、翁長雄志知事との事前協議で「不要」と判断されない限り、県の許可が必要と定めている海底の掘削(ボーリング)調査が実施されているのを確認した。これを受けて翁長知事は4日にも、掘削に関して県の許可を得るよう求め、防衛局を行政指導する。

 防衛局が工事を続けた場合、県は差し止め訴訟の提起を検討している。防衛局は3日までに、4月中にも着手する護岸工事に向けた仮設道の整備にも着手した。汚濁防止膜の設置を終え次第、護岸工事を始めるとみられる。

 掘削調査について防衛局は、岩礁破砕許可の更新は必要ないと判断したため、行政指導には応じず、工事を続ける方針。

 3日、米軍キャンプ・シュワブの浜辺では重機を使い、ネットに入れた砂利を敷きならす作業が確認された。防衛局は最初に着手する「K9護岸」と呼ばれる地点に砂利を運ぶ車両が通る仮設道の整備を進めている。

 海上では3台のスパット台船とクレーン船を使って掘削調査を行う様子が確認された。県はこの日、現場海域に漁業取締船「はやて」を派遣し、作業状況を確認した。

 護岸工事に向けた仮設道の整備について、工事を監視する市民からは、県に対する工事の設計概要変更申請が必要だとの指摘が上がった。県も同日、浜辺で作業が行われていることを確認した。

県土木建築部は「護岸の構造が変わったり、施工順序の入れ替わりがあったりすれば、設計変更をする必要がある」と指摘し、作業内容を精査する考えを示した。