石垣、税関空港に指定 市「販路拡大の契機に」 沖縄県内2港目


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 【石垣】財務省は6日までに、石垣市の南ぬ島石垣空港を国際線貨物の輸出入が可能な税関空港に指定した。沖縄県内では那覇空港に続く2港目の税関空港で、国内では31番目の指定となる。税関空港指定により、那覇空港を経由せずに輸出入できるようになることから、市は直行便が運航する香港や台湾など海外に向けた特産品の販路拡大の契機としたい考えだ。指定は1日付。

 石垣空港から直接国外への輸出が可能となり、経費削減や運搬時間の短縮、事務手続きの負担軽減が図れる。海外での販売価格の低下や迅速な発送につながる見通しだ。そのため市は、農水産物や加工品など特産品の海外展開を広げる好機として、指定を歓迎する。

 中山義隆市長は石垣の特産品が海外で高い評価を得ているとの認識を示した上で「香港とは週5往復しているので、まずは香港に重点を置きたい。イベント開催などで石垣の物産をアピールしたい」と述べた。

 市は搭乗者が少ない時期の旅客便への貨物搭載を航空会社に働き掛けることで、国際線の年間を通した継続的な就航につなげたいとの考えも示している。一方で、輸出品目によっては必要となる検査体制や、輸出量増加に対応できる保管庫などの整備は進んでいない。そのため市は今後、特産品の需要・供給を把握した上で、輸出体制の構築を図りたいとしている。

 同一都道府県で複数の税関空港が指定されるのは全国で北海道と福岡県に続いて3地域目となる。税関空港は関税法で、貨物の輸出入が可能な空港が政令により指定される。