琉球人遺骨返還を要求 民族独立研究学会、国連に報告書提出


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 琉球民族独立総合研究学会は6日までに、日本の研究者が今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から持ち出した琉球人の遺骨を返還させることなどを求める報告書を、国連人権高等弁務官事務所に提出した。先住民族の「伝統儀礼を行う権利」を侵害していると訴えている。

 1854~59年に琉球国が米国、フランス、オランダと結んだ修好条約の原本を日本政府が保管していることについても返還を求めている。国連人権理事会で11月に行われる日本政府対象の普遍的定期審査(UPR)で判断材料にしてもらうことが狙い。

 報告書は3月22日付。1879年の琉球併合(琉球処分)などを踏まえ、琉球が「差別、搾取、支配の対象となってきた」と指摘した。琉球独立運動を「琉球民族の国家の主権を回復する運動」と位置付け、日本政府に「脱軍事基地化と脱植民地化を開始すべきだ」と求めている。

 遺骨の持ち出しについては「先住民族の権利に関する国連宣言」第12条(伝統儀礼を行う権利)に違反していると指摘。政府による徹底的な調査と遺骨の返還を求めた。

 3条約の原本については同国連宣言と自由権規約に違反しているとして、即時返還を求めた。

 ほかに米軍北部訓練場ヘリパッド建設をめぐって機動隊員が県民に「土人」と発言したことなども盛り込んだ。報告書は同学会ホームページで公開している。

 UPRには沖縄国際人権法研究会も3月30日、4点の報告書を提出している。

英文へ→Report submitted to UN requesting return of Ryukyuan remains