障がい者差別解消を 那覇市、全職員に要領策定 窓口対応拒否禁止へ


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 2016年4月1日に施行された「障害者差別解消法」に基づき、那覇市では、全職員に障がい者差別を禁止する「那覇市職員対応要領」を策定した。職員は3日から要領に基づいた、市民サービスを始めている。市は差別に関する相談への対応を関係機関で協議する「実務者会議」や「代表者会議」を1月に設置しており、それに続く施策だ。

 「障害者差別解消法」では、障がい者の差別に関する相談を受け付けて対応を検討する「障害者差別解消支援地域協議会」の設置、自治体などの職員が差別的な対応をしないように要領の策定などを促している。一方、県内では取り組みの遅れが指摘されていた。

 那覇市では17年1月から、障がい者の虐待未然防止を対象にした既存の組織「市障がい者権利擁護ネットワーク会議」に「障害者差別解消支援地域協議会」の機能を付与して取り組んでいる。市によると、16年度に市の窓口に寄せられた障がい者差別に関する相談件数は3月10日時点で21件。「実務者会議」と「代表者会議」は3月末までに相談への対応を検討し、市民を差別したとされる機関に「障害者差別解消法」の内容を周知し、改善を求めた。市の担当者は「今後も相談があればその都度対応を検討したい」としている。

 市の全職員向けの要領では、障がいを理由に窓口対応を拒否すること、イベント参加を断ることなどを「不当な差別的取り扱い」として禁止。障がい者が過ごしやすくするための合理的配慮の例として、段差をなくすこと、ゆっくり丁寧に説明すること、慣行を柔軟に変更することなどを挙げている。市福祉部の長嶺達也部長は「職員の研修も重ねて周知徹底に努めたい」と話した。