キングス2位堅持 Bリーグ第50戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区2位=24勝25敗)は8日、滋賀県の守山市民体育館で滋賀レイクスターズ(同6位=12勝37敗)と第1戦(今季第50戦)を行い、75―73で勝利した。リーグ終盤で3連勝を決めたキングスはチャンピオンシップ進出圏内の地区2位を維持している。

 第1クオーター(Q)は勢いのある滋賀のスピードに振り回される場面はあったが、冷静な守備から短時間でたたみ掛ける攻撃を展開し、リードを奪った。第2Q以降は滋賀が勢いを吹き返そうとするタイミングで、タイムアウトを取り、そこから反撃する落ち着いたプレーで第3Q終了時点で54―45と引き離した。

 ただ、第4Qは警戒していた滋賀の狩野祐介に3点弾3発を許すなど残り3分を切って一時、同点に持ち込まれた。それでも「役者」の多い琉球はラモント・ハミルトンがゴール下で攻め勝ちバスケットカウントを奪うと、津山尚大も厳しい位置から2点弾を沈めた。最後は徹底守備で滋賀の猛追を振り切った。

 滋賀のPG並里成(コザ中―福岡第一高出)はチーム最多の14得点、7アシストと活躍し、チームをけん引した。滋賀との第2戦は9日午後2時から同体育館で行う。(観客数1794人)

キングス 25勝25敗
 75―73(16―14,23―19,15―12,21―28)
滋賀 12勝38敗

◇滋賀の3点弾 あすは抑える
 伊佐勉HC(キングス)の話 オフェンスは、滋賀のディフェンスに圧倒されて思うようにいかない時間帯が多く、そこから滋賀に走られて点を許してしまった。前半抑えていた滋賀の3点シュートを後半に決められ始め、点を縮められたと思う。あすは40分間、しっかり抑えられるように切り替えたい。

◇流れ渡さず3連勝 全員得点で制す

 西地区最下位ながら勢いのある滋賀にタフな試合を展開されたが、出場選手全員が得点を決めるなど、キングスは最後まで大崩れしなかった。競り合いを制し3連勝。50戦目に勝率を5割に戻し、チャンピオンシップ圏内の2位を死守する。残り10試合、勝負どころに来て、キングスのこれまでの努力や修正が結果に結びつき始めた。

 正念場は9点差のリードで臨んだ第4Q。一時は試合を振り出しに戻されたが、津山尚大のこの日14得点目となるミドルシュートや相手ミスからの速攻の好機に反応して走り込んだアンソニー・マクヘンリーが決めるなど、たたみ掛けた。残り41秒からは岸本隆一が時間をうまく使うと、ゴール下のラモント・ハミルトンが相手守備2枚の壁をものともしないパワーで貴重な2点弾を沈め、後は徹底守備で乗り切った。

 伊佐勉ヘッドコーチのタイムアウトのタイミングも絶妙だった。各Qで滋賀の選手と会場が盛り上がりかける前に試合を止めると、その直後、キングスが短時間で点を重ねて主導権を譲らなかった。攻撃ではスクリーンでドライブの隙やフリーの選手をつくり、相手守備の警戒を散らした。

 守備では得点ランキング3位のジュリアン・マブンガ(滋賀)を7点に抑えた。接戦でも着実に戦略を実行できるプレーの一つ一つに、キングスの好調ぶりがにじみ出た。

 主将の岸本隆一は「誰か1人に偏ることなく、全員で勝ち取ることができた。改善すべきところはあるので、明日はスマートに戦いたい」と力を込めた。