儀間比呂志さん死去 94歳、沖縄戦、風景描く版画家・絵本作家


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 儀間比呂志さん

 沖縄でたくましく生きる人々の姿を力強いタッチで描いてきた、沖縄を代表する版画家・絵本作家の儀間比呂志(ぎま・ひろし)さんが11日午前3時15分、肺炎のため大阪府河内長野市の病院で死去した。94歳。沖縄戦や沖縄の風景、女性の姿を数々の版画作品で描いたほか、多数の創作絵本を出した。通夜は14日午後7時、葬儀は15日正午からいずれも大阪府大阪狭山市茱萸木1丁目277の1、セレモ大山で。喪主は長男修(おさむ)さん。

 儀間さんは1923年那覇市生まれ。青年時代を過ごした旧南洋群島のテニアンで版画の手ほどきを受けた。「ふなひき太良」(毎日出版文化賞)以来、多くの創作絵本を手掛け、多くの賞を受けた。版画集「戦がやってきた」「沖縄戦-朝鮮人軍夫と従軍慰安婦」など、戦争を告発する作品を世に問うてきた。

 大阪を拠点にしていたが、2006年に豊見城市にアトリエを構え、大阪と往復しながら、制作に打ち込んだ。09年に県出身ロックバンド、モンゴル800と詩画集「琉球愛歌」を作った。12年に琉球新報賞、県功労者表彰。90歳をすぎてから大阪に戻っていた。