「沖縄市活性化の力に」 奥間さん、地域活動で存在感


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地域や酒販業界の発展に思いをはせる奥間由紀江さん=3月22日、沖縄市池原の丸政洋酒店

 【沖縄】沖縄市内のさまざまな地域活動で、ひときわ存在感を放つ女性がいる。市PTA連合会の副会長や、女性目線で市の魅力を発掘する「沖縄市女性観光プロジェクトチーム」のメンバーなどを務める奥間由紀江さん(38)=市池原=だ。本業の卸売酒販業界でも需要の掘り起こしに力を注ぐ。「待っているだけでは駄目。自分で動かないと何も変わらない」が信条だ。

 地域活動のきっかけは、子どものPTA活動。4人の子がいて役員も務め、10年以上関わり続ける。

 市越来の出身。「生まれ育った沖縄市には愛着がある。活性化させ、将来子どもたちが住みたくなるような街にしたい」と、市観光物産振興協会青年部でも活動する。地域に残る文化遺産の活用や、ソーシャルネットワークサービス(SNS)を使った情報発信の強化など、発展に向けた方策を積極的に提案する。

 本業は創業40年以上の老舗酒屋「丸政洋酒店」(市池原)の営業担当で、自他共に認めるお酒好き。同社の奥間ミエ子代表の息子、政人さんと1998年に結婚し、10年ほど前から家業を手伝う。「お酒が好きな人を増やしたい」。意志の強い性格は、仕事にも生かされている。

 贈答需要をつくるため、酒瓶に名前や模様を彫る会社を2年前に設立。昨年12月には日本酒「久保田」で知られる朝日酒造(新潟県)と代理店契約を結び、希少銘柄を扱い始めた。初めは契約を断られたが、粘り強く交渉し、2年がかりで契約を結んだ。

 県卸売酒販組合連合会の事務局長も務める。昨年11月、カクテルなどで泡盛の新しい飲み方を模索するイベントを市内で初開催した。酒販、観光の両業界の発展を意識した取り組みだ。

 あふれる情熱を惜しみなく周囲に還元する奥間さん。「街の活性化の力になりたい」と快活に笑った。(長嶺真輝)