普天間騒音区域見直さず 国「返還予定」理由に


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 防衛省は、全国の米軍や自衛隊の基地周辺で進める防音工事対象の「第1種区域」の見直しに関し、米軍普天間飛行場周辺では行わないことが13日分かった。防衛省が13日、本紙取材に「普天間飛行場の移設・返還に向けて取り組んでいて、同飛行場周辺での見直しは考えていない」と答えた。区域外の住民や市からは区域拡大を求める声が上がっている。返還を理由に防音工事対象区域の見直しをしないのは全国でも他に例がないとみられる。

 現状の普天間飛行場の第1種区域は1983年9月に指定されて以降更新されていない。増加する外来機に加え、2012年には従来の機体と飛行経路の異なる垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが配備されるなど普天間飛行場の騒音を取り巻く状況は指定当時から変わっている。

 宜野湾市は市内全域から騒音に関する苦情が上がっていることを受け、対象地域を市内全域に拡大するよう求めている。

 一方、防衛省は、14年にKC130空中給油機15機を山口県の岩国基地に移駐したことなどを挙げ「住宅防音対象区域の拡大は困難な状況だ」とも回答した。

 全国の見直しでは大部分が防音工事対象区域を縮小する結果が出ている。県内では米軍嘉手納基地が対象となっており、自治体や住民らが縮小に反対している。(明真南斗、仲村良太)