辺野古、17日にも護岸着工 汚濁防止膜の配置完了 普天間問題、重大局面へ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画に伴う名護市辺野古の新基地建設工事で、政府が早ければ17日にも本体埋め立て工事に着手することが分かった。第一段階として「K9護岸」を建設する。海上警備体制や天候などを考慮し、最終的には官邸が日程を判断する。護岸工事は、大量の石材などを海底に積み上げるもので、着手されると海の環境の原状回復は困難となる。1996年の日米合意後、多くの県民が県内移設に反対し続ける中、米軍普天間飛行場移設問題は重大な局面を迎える。

 沖縄防衛局は14日までに、土砂などが海中へ拡散するのを抑える汚濁防止膜を予定地に配置する作業を終えた。膜(カーテン)を海中に広げる作業を残すのみとみられる。

 作業が順調に進めば17日にも護岸の着工が可能となる。護岸は、埋め立て区域の外枠となるもので、石や消波ブロックを海中に投入し壁を作る。一定程度護岸ができたら、土砂を海中に投入し区域を埋め立てていく。

 防衛省の武田博史報道官は14日の記者会見で「汚濁防止膜の設置を終え、現在護岸工事に必要な資機材の準備などを進めている。防衛省として一日も早い普天間飛行場の移設返還のため、工事を着実かつ早期に進めていきたい」と述べた。