国内北限のコーヒー、生産増へ 「沖縄産」技術指導へ協会 関係者、産地育成図る


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 沖縄県産コーヒーの栽培振興を目指し、県内のNPO法人や大学教授、生産者が発起人となり、1日付で一般社団法人沖縄コーヒー協会を設立した。4年前に発足した任意団体を法人化し、沖縄でのコーヒー栽培の技術指導や、生産された豆の買い取りなどを担う。カフェが普及するなどコーヒー人気が広まる中、コーヒー栽培の国内北限となる沖縄産の品質向上に向けた研究と栽培技術の普及を進め、産地の育成を目指す。17日には法人化を記念したフォーラムを開催する。

 協会発足時点で県内の生産者や県内外のコーヒー店オーナーや一般会員ら約40人が参加。沖縄コーヒーの愛好者を募って需要を確保し、農家が安心して生産拡大に励める環境をつくる。

 沖縄では100年ほど前からコーヒー栽培が行われていたが、NPO法人食の風の田崎聡理事長らによると、沖縄戦で畑が焼き払われたことや、台風が相次いで襲来するため安定した収穫が難しく栽培は広がっていなかった。現在の県内コーヒー生産量は年間2トン程度にとどまる。

 一方、安価な簡易ハウスが試作され、生産のハードルは下がっている。コーヒー人気が高まる中、国内の販売者や消費者からは、低農薬で安全性が高い沖縄産への期待が高いという。

 協会は年内に会員100人、コーヒー豆生産量は4年後に5トンを目指す。

 設立発起人となったNPOウヤギー沖縄の近藤正隆理事長、食の風の田崎理事長が14日、琉球新報社を訪れ「沖縄でコーヒーの6次産業化を進める。豆が消費される出口をつくり、愛好家と共に産地をつくっていきたい」と語った。

 法人化を記念したフォーラムが17日午後5時から、那覇市の牧志駅前ほしぞら公民館大ホールで開かれる。入場無料。参加者は県産コーヒーを1杯飲める。問い合わせは同協会事務局(電話)098(943)6104。