マラソンの絆20年  岐阜の清水さんら 宮城さん(伊江)と家族ぐるみ


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住民の宮城孝雄さん(後列右から2人目)と交流を続ける清水憲明さん(同右端)、家族、木村裕治さん(同右から3人目)ら=8日、伊江村ミースィ公園

 【伊江】8日に行われた第25回伊江島一周マラソン大会に出場した清水憲明さん(70)は、今大会で20回連続の出場となった。出場のきっかけは、住民で伊江中学校元校長の宮城孝雄さん(67)との出会いだ。清水さんは岐阜市内を活動拠点にする市民吹奏楽団「長良シンフォニックバンド」の元団長で、同バンドの木村裕治代表(52)やメンバーらの家族も毎年伊江島を訪れ、大会を通した家族ぐるみの交流が20年続いている。

 清水さんが初めて伊江島を訪れたのは、村内で開催されたセミナーに参加した約21年前だ。島の温暖な気候や自然が心地良く、伊江島が好きになったという清水さん。「バンド創立30周年記念行事として伊江島に演奏旅行に行こう」とメンバーに話を持ち掛けた。

 演奏旅行のパイプ役に一役買ったのが当時、伊江村の指導主事だった宮城さんだ。「離島の子どもたちにプロの演奏を聞かせたい」という思いが一致した。

 1997年11月、伊江中学校で第1回演奏会が実現した。翌年4月にはマラソン大会があることを宮城さんから知らされた清水さんは、マラソン大会に毎年出場するようになった。

 以来、バンドメンバーや家族も大会に出場。木村代表は今回で17回目の出場だ。

 同バンドはこれまでに計3回、伊江中学校で演奏、宮城夫妻は同バンドの定期演奏会に足を運んでいる。同バンド定期演奏会には宮城さんの妻・由美子さんが通う野村流古典音楽保存会の玉木和仁研究所のメンバーや伊江島の島袋カズエ研究所のメンバーらも出演した。

 清水さんは「団員にも伊江島ファンが多く第二の故郷のようだ。宮城さんは人と人のつながりを大切にする熱い人だ」と話す。木村さんは「大会会場で島の皆さんに会えるのも楽しみで、島はリフレッシュできる欠かせない場所だ」と目を輝かせ、さらなる絆の深まりを実感している様子だった。
(中川廣江通信員)