【アメリカ】北米、沖縄芸能楽しむ バージニア三線会 桜祭りで沖縄発信


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バージニアビーチ市の桜祭りで、沖縄民謡を披露し観衆を魅了したバージニアビーチ三線会=1日、米バージニア州バージニアビーチ市

 11回目を迎える米バージニア州バージニアビーチ市の桜祭りが1日、同市で開かれ、春らんまんの好天気に恵まれ、大勢の家族連れでにぎわった。祭りには今回もバージニアビーチ三線会が出演。過去最多出演を誇る同三線会は、地元では知名度が高く人気もあり、沖縄アピールに一役を買っている。

 三線会は「かじゃでぃ風」「踊りクワデーサ」「繁昌節」で幕開けを飾り、沖縄民謡の調べが会場に響くと、祭りの参加者の気分が一挙に高まった。桜祭りステージでのフィナーレを飾ったのも三線会。あでやかな琉装を身に着けた母娘が琉球舞踊「鶴亀節」を披露し、空手の型をアレンジした踊り「渡りぞうタチウトゥシー」「テンヨー節」などが繰り広げられた。うちわの応援団や「安里屋ユンタ」の曲では観客から歌声が聞こえた。

 三線会代表の琉球箏曲保存会サリナ箏曲研究所の譜久嶺絹子さんは昨年箏曲部門で優秀賞を、ヘレン・ヤマダさんは2014年に、理枝子ソレンティノさんは15年にそれぞれ新人賞を受賞した。三線メンバー5人と唯一の男性太鼓奏者がたたく軽快な音で祭りの最後を締めくくった。

 譜久嶺さんは「13年前に3人から始め三線会は今は12人ほどとなった。先生はいないが、和気あいあいと楽しんでいる。月1回の持ち回りで各メンバーの家で練習している」と話す。

 世界最大の海軍基地のあるバージニアビーチ市には軍属関係者が多く住み、国際結婚の日本人女性も多い。譜久嶺さんは「沖縄にゆかりのある地元の人たちがたくさんいて、楽屋裏を訪ねて来ては沖縄の思い出話に花を咲かせている。衣装や楽器に興味を示す人も多く、年1度の桜祭りでの沖縄の演奏を懐かしみ、楽しみにしてくれている」と語る。打ち上げが県出身者経営の日本レストランで行われ、来年の祭りに向けての意気込みを語り合った。

 桜祭りは姉妹都市の宮崎市から贈られたソメイヨシノ150本の並木道や日本庭園が設置され市民憩いの公園で行われており、日本文化を紹介する絶好の場となっている。(鈴木多美子通信員)