善意相次ぎ1200万円に 余剰金、県に贈呈へ 早産の台湾女性支援


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張本光輝会長(中央)に寄付金を託す大阪大学同窓会の宮里達也さん(左端)と沖縄第一病院の宮城信雄理事長(同2人目)=21日、那覇市久茂地の琉球華僑総会

 妊娠約6カ月の台湾人女性(20)が沖縄旅行中の3月30日に沖縄県内で早産したという本紙報道を受け、出産などにかかる医療費支援を呼び掛けた県内在住の台湾出身者でつくる「琉球華僑総会」(張本光輝会長)には21日までに支援金が続々と寄せられた。同会によると、寄付金は21日午後6時現在、約1200万円に達しているという。出産は海外旅行保険の補償対象外で、費用は最低でも約600万円かかるとみられていた中、予想を上回る善意に張本会長は「多くの人の協力に感謝したい」とお礼を述べた。

 女性の夫は「皆さんからの恩恵を忘れず、今後社会に還元したい」と感謝し「赤ちゃんが元気に成長できるよう祈っている」と、話している。

 同会は余剰金について、県に贈呈し今回のような事案への対応策や、さらなる医療機関の多言語対応、外国人患者向け医療サービス環境の構築などを求める予定という。

 この日は大阪大学同窓会や浦添市の家族ら7組が那覇市久茂地の琉球華僑総会事務所を訪ね、寄付金を託した。20日には東京都の男性が開設した口座に500万円を寄付していた。関係者らは「とても感謝している。日本、沖縄と台湾のいい関係が改めて確認できてうれしい」と話した。