FC琉球、PK戦敗退 天皇杯サッカー1回戦


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FC琉球―FC今治(愛媛) 延長後半14分、ドリブルで攻め込み力強いシュートで同点に持ち込むFC琉球の西岡大志=23日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場(具志堅千恵子撮影)

 サッカーの天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)第2日は23日、沖縄県総合運動公園陸上競技場などで1回戦の残り試合を行い、県代表でJ3のFC琉球は日本フットボールリーグ(JFL)のFC今治(愛媛)に5―5からのPK戦を3―5で惜敗した。攻撃的サッカー同士の初戦は前後半で4―4、延長戦も1点ずつと得点を奪い合った。琉球は延長後半14分にゴール前の混戦からDF西岡大志が同点とし、直後に与えたPKをGK李京泰が止めるなど意地を見せたが、PK戦で屈した。J3のリーグ戦ではここまで5試合で3失点と安定していた守備が崩れた。

▽1回戦
FC今治(愛媛)
5―5(2―2,2―2 延長1―0,0―1)
(PK5―3)
FC琉球
▽得点者【今】桑島2、長尾2、片岡【琉】富樫、前田、田辺、西岡2

【評】FC今治がPK戦を制した。GKクラッキが相手の3人目を阻み、5人全員が成功。5点を奪い合う乱戦にけりをつけた。琉球は4―5の延長後半の終了間際、ゴール前の混戦から西岡が決めて追い付く粘りを見せたが、力尽きた。

◆主導権を握られた

 金鍾成監督(FC琉球)の話 5―5の結果だったが、途中からは終始FC今治に主導権を握られた。集中力や試合の流れなどは、たまたまの結果ではない。最後のPKに表れている。厳しいゲームをものにできなかった弱さがある。一から立て直してやっていくしかない。

◆ホームで格下に不覚/西岡 意地の2同点弾

 「笛が鳴るまで諦めない」意地の一発でFC琉球が競り合いを演じた。3―4と劣勢で後半ロスタイムを迎えた直後だった。途中出場のDF西岡大志が、MF田辺圭佑の右コーナーキックをゴール前の中央で構える。ゾーン守備のFC今治に対し、「相手より早くボールに触ることを意識した」。相手DFの背後に回って死角に入ると、抜け出してヘディングシュートを決め、望みをつないだ。

 西岡は延長でも貴重なゴールを決めた。4―5の延長後半終了間際に、田辺の縦パスをDF新井幹人が左へ送った。「(新井が)触ってくれると信じていた」と振り返る西岡。トラップでシュートをすると見せかけた後、相手守備の背後に抜けると、左足を振り抜き、同点弾を決めた。

 試合は前半、相手の先制ゴールの後、25分にMF富樫佑太のシュートで同点に追い付き、38分にはFW前田央樹が逆転ゴールを決めた。一度はリードしたものの、前半終了間際に同点に追い付かれると、後半からは終始追う展開だった。

 PK戦を3―5で落とした。JFLの格下を相手にホーム戦で敗退した。次はリーグのホーム戦が控える。「サポーターも悔しさを持っている。ホームでの勝ちにこだわる」。勝利を貪欲に狙うチームの姿勢を、西岡が代弁した。(崎原有希)