読谷村議会がつり下げ訓練に抗議 全会一致で意見書可決


この記事を書いた人 松永 勝利
沖縄防衛局の伊藤晋哉企画部長(左列手前から2人目)に意見書を手渡す伊波篤読谷村議会議長(右列手前から2人目)=24日午前11時16分、嘉手納町の沖縄防衛局

 【中部】読谷村議会(伊波篤議長)は24日午前、臨時議会を開き、19日に米軍が陸軍トリイ通信施設でヘリコプターに車両をつり下げた訓練を実施したことについて抗議し、中止を求める意見書を全会一致で可決した。可決後、伊波議長らは沖縄防衛局を訪ね、伊藤晋哉企画部長に意見書を手渡した。読谷村の田島利夫副村長も訓練中止を求める読谷村としての抗議文を手渡し「早急に事実確認をしてほしい。住民は不安だ」と抗議した。

 伊藤部長は「米側に事実確認し、申し入れた」と答えた。つり下げ訓練については「訓練の必要性の中で、事故が起こらないように安全確保を求めていく」と述べるにとどめ、米側に中止は求めない意向を示した。

 議員からは「なぜ申し入れないのか」「海岸は村民が潮干狩りを楽しんでいる場所だ。人命に関わる」などと反発の声が上がった。

 米軍は日本政府に提出した環境レビューで、トリイ通信施設のヘリ発着帯は訓練に使う「戦術着陸帯」ではなく、物資や人員輸送、緊急時に使用する「管理着陸帯」と分類しており、意見書では訓練のための使用を中止するよう求めた。
 伊藤部長は「中止するのは難しい」と答えたため、田島副村長は「それでは(基地の用途)仕分け自体が不要ではないか」と抗議した。【琉球新報電子版】