大学に放課後教室 沖大、繁多川公民館が連携 子どもの居場所に提供


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「放課後こくば子ども教室」で宿題をする児童を見守る沖縄大学地域研究所の島村聡所長(左)と繁多川公民館の南信乃介館長(右)=19日、那覇市国場の沖縄大学アネックス共創館

 那覇市繁多川公民館(南信乃介館長)は19日、沖縄大学(仲地博学長)と連携し、那覇市国場にこのほど完成した大学の別館、沖縄大学アネックス共創館で、子どもの居場所を提供する「放課後こくば子ども教室」をスタートした。

 地域社会の中で子どもが安心・安全に過ごせる居場所づくりや健やかに成長するための放課後対策の一つとして、上間小学校区内の児童を対象に毎週水曜日、学校の宿題や自主学習の時間を設け、地域協力者を招いた昔遊びや伝統おやつ作りなどを企画している。7月までの14回は同公民館が主催し、近隣の自治会や団体、保護者などがその後の運営を持続できる組織の基盤をつくる。

 文部科学省が選定する私立大学研究ブランディング事業対象校に選ばれた同大学では今後、同施設を地域に開放することで、多様な子どもや家庭の居場所づくりに向けた多角的な地域支援の実現も目指す。大学が地域と連携し施設を開放するのは珍しい。

 初日の19日には5人の児童が参加した。宿題を終え、ゲームを通して交流する子どもたちの笑い声が館内に響き渡った。参加した上間小6年の仲地快晴君は「楽しかった。学年は違うけれど友達になれた」と笑顔。自宅近郊に安全で安心できる遊び場所がないと指摘する母の奈緒子さん(39)は、「子どもを見守ってくれる大人がいる遊び場所ができてうれしい」と喜んだ。

 沖縄大学地域研究所の島村聡所長は「地域との連携を学生も学ぶことができ、この取り組みを支援したい」と述べ、南館長は「地域の子どもたちが気軽に利用してほしい」と実感を込めた。(中川廣江通信員)