《インタビュー》ネット利用の安全求めて スマートフォンアドバイザー モバイルプリンス


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 4月からりゅうPON!の新連載「モバイルプリンスの知っとくto得トーク」が始まりました。登場した王子様(?)は何者なのか気になりませんか。モバイルプリンスさんはスマートフォン(スマホ)やインターネットのことにとっても詳しいスマートフォンアドバイザーです。学校やPTA関連での講演会、ラジオ番組でスマホやデジタル製品の使い方などを説明し「便利だけど怖い面もあるから上手に使えるようになって」とみんなに呼び掛けます。

 小学生の頃のプリンスさんは、勉強やスポーツがあまり得意ではなく、テレビを見て「お笑い芸人になりたい」と思っていました。中学、高校では友達の前で笑いを取ることに喜びを感じ、普天間高校2年生の時にお笑い事務所「演芸集団FEC」に入りました。高校卒業後はお笑いに専念するつもりでしたが、周りの勧めもあって沖縄国際大学に進学しました。

 ラジオやテレビ番組、お笑いライブの出演を続け、大学1年生の時に出場した「第12回フレッシュお笑い選手権」で優勝しました。大学に対しては目的をはっきり持たなかったこともあり、2年生で退学し、上京しました。

 2007年、千葉県の携帯電話ショップで働きながら、お笑い芸人を目指す生活が始まりました。デジタル製品がもともと好きだったプリンスさんは携帯のカタログをむさぼるように読んで詳しくなりました。

 東京で多くの舞台を見るうちにお笑い芸人として活動することに厳しさを感じたプリンスさん。結婚したこともあって、2年間で沖縄に戻ることにしました。

 沖縄でも携帯電話の販売店で仕事を続けながら、沖縄市のコミュニティーFM局「オキラジ」で、スマートフォンの選び方や使い方を解説するモバイル情報番組「スマートフォン王国」を始めます。「最新情報が分かりやすい」と大人気です。インターネットサービス「ポッドキャスト」で一時、全国3位になったこともありました。

 今のプリンスさんはお年寄りにスマホについて教えることもあります。「初心者にとって今のスマホは10年続いた長いドラマの終盤をいきなり見せられて戸惑うようなもの。ドラマの初回から見続けた自分だから分かる」とかみ砕いて説明しています。機能が進化するスマホは子どもたちにとってゲーム依存、さまざまな犯罪につながる危険性もあります。「中毒性の高いものが次から次へと出てくるから、今の子どもたちは大変」と心配します。

 20歳までは「ろくでもない生活だった」と反省しているプリンスさん。「地域に恩返ししたい」とりゅうPON!の連載も始めました。スマホ使いの伝道師が今日も画面に向き合いながら、より良い子どもたちの環境を考え続けています。

文・関戸塩
写真・大城直也

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/