ユリの泡盛 親しんで 伊江の花酵母 瑞穂酒造開発


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 瑞穂酒造(那覇市、玉那覇美佐子社長)は、伊江島のユリの花から分離した花酵母を使って発酵させた泡盛「伊江の華20度」(税別千円)を開発した。22日から始まった「第22回伊江島ゆり祭り」で販売している。伊江島やユリのイメージに合う爽やかでフルーティーな風味に仕上げた。玉那覇社長は「観光客や伊江島の人に親しんでほしい」と期待した。

 2014年にユリの提供を受け、東京農業大短期大学部の中田久保名誉教授の指導を受け研究を始めた。花酵母のうちアルコールを生み出す効率の良いものはわずかしかない。泡盛に適した酵母の分離・培養に携わった大城博明取締役製造部長は「奇跡の出合い、自然界からの贈り物だ」と語った。アルコールを生み出す効率の良さや発酵に適した温度の絞り込みに時間をかけ、製品化した。

 島袋秀幸伊江村長は「酒蔵がない伊江島にとって、伊江島のユリ酵母を使った泡盛は地酒でもある。村民も大いに飲んでもらいたいし、県外の人に島をPRするきっかけにもなってほしい」と誕生を喜んだ。

 伊江島と那覇市の瑞穂酒造本社、県外で開かれる物産展でも販売していく。問い合わせは瑞穂酒造(電話)098(885)0121。

伊江の華20度
「伊江の華20度」をPRする島袋秀幸伊江村長(中央)と、瑞穂酒造の玉那覇美佐子社長(右)、大城博明取締役製造部長=28日、那覇市首里末吉町