地元食材 紙芝居で学ぶ 名護で制作、きょう初披露


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
名護の地産地消をコンセプトにつくられたオリジナル紙芝居「ヤールーがみていた大冒険」をPRするFMやんばるの宮里綾野さん(左)と新城拓馬さん=20日、名護市のFMやんばる

 【名護】地元で採れたジャガイモやニンジンなど食材を子どもたちに知ってもらう取り組みが、名護市内で始まった。企画した「なごゆいまーる紙芝居制作委員会」はオリジナル紙芝居「ヤールーがみていた大冒険 がじゅまるをとりもどせ!」を制作した。29日に名護市21世紀の森公園で開催される第13回まんまる市で初披露する。

 オリジナル紙芝居は名護市のコミュニティーラジオ局「FMやんばる」が昨年7月に放送した「35時間ジモティーラジオ~地産地消で子供たちに紙芝居を~」から生まれた。

紙芝居「ヤールーがみていた大冒険」では名護産の食材をPR

 パーソナリティー「ジョバンニ」こと新城拓馬さんが、羽地中の生徒たちと羽地の田園「ターブックヮー」の話をした際、生徒らが羽地が有名な米どころだったことを知らないということに衝撃を受けた。「地元のことをもっと知ってほしい」との思いが番組制作と紙芝居づくりにつながった。

 紙芝居を作るに当たり、資金集めのために思い付いたのが100%名護産カレー。地元の業者からジャガイモや豚肉などの食材を全て無料で提供してもらってカレーを作って販売したところ、260食が完売した。

 売り上げは約12万円。紙芝居の制作費用にはまだ足りなかったが、新城さんをはじめとすると有志が寄付金を出し合い、約1年かけて紙芝居を完成させた。

 新城さんは「これから大人になる子どもたちに地元の食材に感謝して大きくなってほしい」と願う。

 紙芝居は名護市が舞台。豚肉のあるアグー村は久志、野菜のベジタウンは屋部、米や塩が取れるおにぎビレッジは屋我地や羽地をイメージした。200部を発行し、名護市内の全小学校に無料配布する。まんまる市では1冊2160円(税込)で販売する。新城さんは「名護には豊かなものがたくさんある。次の世代にそのことを分かりやすく伝えていきたい」と述べた。(阪口彩子)