基地ある日常を朗読劇に 琉大生が上演 3日那覇で憲法講演会


この記事を書いた人 平良 正
朗読劇の練習で、演出の上田真弓さん(中央)の指導を受ける大学生ら=30日午前、西原町の琉球大学

 3日に那覇市西の沖縄県男女共同参画センターてぃるるで開催される2017憲法講演会(主催・県憲法普及協議会ほか)で、琉球大の学生11人が沖縄の現状を題材にした朗読劇「すべての国が戦争を放棄する日~おきなわから」を披露する。大学生らは本番を目前に控えた4月30日も練習に励んだ。

 非戦を選ぶ演劇人の会の石原燃氏の作品を原案に、県内在住の女優で即興演劇などを手掛ける上田真弓さんが台本の加筆修正と演出に当たっている。上田さんが学生と話し、体験や言葉を台本に取り入れた。「学生たちは基地があることが普通になっていて、騒音があっても怒りにつながらない。どうしたら理不尽な現状に怒りを感じられるのか模索した」と話した。

 学生たちは、練習を通じて沖縄の現状に理解を深めている。與那覇大地さん(20)は、人前での朗読に「最初は抵抗感があった」と話し「米軍基地や上空を飛ぶ飛行機に慣れてしまって気にしていなかった。練習で台本を読んでいて意識が変わってきた」と語る。

 島袋稚菜(わかな)さん(21)=は「米軍基地について知らないことが多かったので勉強になった。大学生の言葉も台本に入っているので、来た人に学生の思いを知ってもらいたい」と話した。読谷村在住の上地このみさん(20)は、日常的な米軍機の騒音にも「言っても変わらない」と諦めて関心を持っていなかったという。それでも「みんなで話し合って意見を聞いて、自分ももっと考えようと思った。本番は緊張するけれど頑張りたい」と話した。