久米島化粧品、海外へ ポイントピュール インフラ整備 生産3倍に


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 海洋深層水や沖縄の天然素材などで基礎化粧品製造・販売を手掛けるポイントピュール(久米島町、大道敦社長)が生産体制を強化している。2016年4月末に化粧品を量産化できる製造釜と周辺設備を導入し、これまで1日1トンの生産量から3倍の3トンへ引き上げた。台湾の大手化粧品メーカー・太和生技(たいほせいぎ)とうるま市で合弁会社の立ち上げが決まったのは量産体制が整ったためだ。今後太和生技の欧米や中国市場のネットワークを通じて、自社ブランドを世界へ売り込む。

量産化できる新たな化粧品製造機械を紹介するポイントピュールの大道敦社長=24日、久米島町

 第1弾として、太和生技は5月下旬に中国・上海で開催される約3千化粧品関連企業が参加するビューティーショー「中国美容博覧会」でポイントピュールの商品を発表する予定だ。

 ポイントピュールは現在、韓国や台湾、香港で自社ブランド化粧品を販売している。国内大手化粧品企業や美容室など約80社から化粧品を受託生産(OEM)しているほか、自社4ブランド60種類の化粧品も製造している。生産量の7割はOEMが占めており、残りの3割が自社ブランドとなる。

 国内化粧品市場の競争が激しいため、12年から海外市場への輸出展開を模索した。最大でロシアなど7カ国へ自社商品を販売していた。大道社長は「海外で化粧品を販売するには現地の法律などに詳しいパートナーが重要だ。パートナー探しに5年もかかった」と述べる。

 大道社長は「新機械に約3千万円を投入した。本社工場の16年度売り上げは3億8千万円で、22年までに年間10億円を目標としたい」と話す。さらに「アジア市場の需要が最も高い美白系商品や、天然成分と機能性成分を合わせた化粧品の開発に注力していきたい。今後工場をさらに拡大することも視野に入れたい」と展望を語った。