キングス崖っぷち CSへホーム連勝のみ Bリーグ第58戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区3位=27勝30敗)は3日、愛知県体育館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(同5位=24勝33敗)と第58戦を行い、62―69で敗北した。西地区で2位争いを繰り広げる大阪エヴェッサ(同地区2位28勝29敗)が同日の滋賀戦で敗れたため、キングスと大阪のゲーム差は1のまま。キングスは今季最終となる6、7の両日の大阪との直接対決2連戦(沖縄市体育館)で連勝し、勝率で大阪を上回ることが、チャンピオンシップ(CS)出場の条件となった。

 名古屋戦の前半は共に守備の勝負となる中で、キングスは攻撃をシュートで終わることができたが、ミスから相手に得点を許して28―31で折り返した。第3Qは名古屋のジャスティン・バーレルに連続得点を許すも、キングスも田代直希やラモント・ハミルトンが奮起して食らいつく。2点ビハインドの第4Qは互いに攻め合う展開で残り3分を切って1点差に追い上げたが、相手の3点弾を受けた直後にミスから失速。キングスはファウルゲームに持ち込んだが点差は広がり続け、逆転には至らなかった。(観客6013人)

名古屋D 25勝33敗
 69―62(17―15,14―13,19―20,19―14)
キングス 27勝31敗

◇攻撃を抑えられ悔しさいっぱい

 伊佐勉HC(キングス)の話 負けられないゲームに負けて率直に悔しい気持ちでいっぱいだ。守備は相手を70点以下に抑えていたので問題ではないが、攻撃を相手の守備で相当抑えられ、そこに自分がアジャストできなかった。残り2試合はホームで試合がある。プロ意識を持って最後まで諦めずに戦っていきたい。

◇残り2戦、岸本「死ぬ気で」

 キングスにとってチャンピオンシップ(CS)の自力出場が懸かる名古屋戦だったが、追い掛ける時間が長い上に、相手の堅い守備を前に攻撃でミスが生まれ、リズムに乗り切れず、勝利を逃した。しかし、2位争いを繰り広げる大阪も滋賀に敗れたことで、CS進出へ首の皮一枚がつながった。主将の岸本隆一は大阪戦に向け「死ぬ気で頑張りたい」と言葉に力を込めた。

 第1Q序盤、動きがやや硬いキングスは攻撃をシュートで終わるも、早打ちなどのタフショットが目立ち、5分すぎで約10点差の苦しい展開だった。しかし、途中出場の山内盛久らが試合をつくると守備からリズムに乗り、パスカットやスチールで2点差に食らいつく。第2Qは好スタートを切るも、ミスが続いて点差を詰め切れない。

 後半に入ると、名古屋のジャスティン・バーレルに連続得点を許したが、田代直希からの連係でラモント・ハミルトンがダンクを決め、直後には田代の3点弾で逆転した。ここで勢いづくかに思われたが、再びリードされると、最後まで詰め切れなかった。岸本は「今日の負けを真摯(しんし)に受け止め、今日より良いバスケを6日にして、さらに良いバスケを7日にすることが(CSへの)一つの道」と気持ちを奮い立たせた。

 名古屋戦を16点の活躍でチームをけん引した田代は「残り2試合をホームで戦える。一番の強みは会場を埋め尽くすファン。プライドと自信を持って(大阪との第1戦から)アグレッシブにやっていく」と気合を入れた。