ゴーヤー県外出荷、5年で2倍 冬場の需要高く


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 沖縄野菜の代表格に挙げられるゴーヤーの県外出荷が順調に伸びている。東京都中央卸売市場のまとめによると、2011年に664トンだった県産ゴーヤーの取扱量は16年に1268トンに倍増した。農作物の県外出荷費を一部補助する県の「農林水産物流通条件不利性解消事業」が農家の負担軽減につながっている。県内産地でも県外出荷に照準を合わせ対策をしている。

 県内では夏野菜のイメージが強いゴーヤーだが、県外では飲食店を中心に冬場の需要も高い。
 JAおきなわは冬春期の産地である宮古島産ゴーヤーを県外に出荷する取り組みを進めている。
 消費者の健康志向などによるゴーヤー人気の高まりを受け、県外でも茨城県や宮崎県などで栽培されるようになり、夏場を中心に多く流通している。
 一方、冬場は県外産品がほとんど出回らないことから、1キロ当たりの価格も夏場に比べ200円程度高い400~600円で取引され(東京都中央卸売市場統計)、輸送費などで割高になる県産品でも有利な取引ができる。温暖な気候を生かして栽培し、共同選果により品質のいいものを出荷することでブランド化にもつなげる狙いだ。
 品種改良が進んだ県産ゴーヤーは県外産に比べて苦みが少なく食べやすいといった特徴があり、消費の広まりと共に引き合いが強くなっているという。
 鍋物など冬場の消費に適したゴーヤーの調理方法が少ないといった課題もある。JAおきなわ営農販売部は「課題もあるが、冬場の出荷を足掛かりに夏場の出荷にもつなげたい。強い太陽の日差しを受けて育つ県産品の特徴をアピールし、差別化を図りたい」と話した。
 5月8日の語呂合わせから「ゴーヤーの日」の8日、県農林水産物販売促進協議会(会長・大城勉JAおきなわ理事長)は、ゴーヤーの需要拡大を目指すセレモニーを、糸満市のJAファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」で開く。ゴーヤーの即売会などが行われる。