マンゴージュース絶好調 1年で3万本売る ティダファクトリ、規格外を活用


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発売から1年で3万本を売り上げた「宮古島のしあわせマンゴー」を持つ荷川取ゆり子社長=1日、宮古島市上野野原

 【宮古島】夏場の沖縄を象徴する果物、マンゴーの県内最大の生産地となる宮古島市。市の農産物加工施設(市上野野原)の運営委託を受けるティダファクトリ(荷川取ゆり子社長)は、規格外のマンゴー果実を原料としたジュース「宮古島のしあわせマンゴー」を開発し、発売から1年で3万本を売り上げた。形がふぞろいで市場に流通できない規格外果実を活用し、土産物として人気を博す。荷川取社長は「農家が規格外に困ることなくマンゴー作りに精を出せるように尽力したい」と強調した。

 宮古島市のマンゴー生産量は、県内全体の3割程度を占める。生産量の1~2割が規格外となり、農家は処分に頭を悩ませる。

 2014年に完成した加工施設では当初、規格外果実を冷凍して販売する業務が主だったが、県外の大口顧客が取引を取りやめたことを契機に商品開発へ力を入れた。

 ジュースは16年3月からほぼ市内のみで発売し、日本ギフト大賞の沖縄賞にも輝いた。

 同社によると、加工品の1キロ当たりの単価は冷凍マンゴーより4・4倍高い。16年は市内農家22軒から規格外マンゴーを9・8トン仕入れた。17年は21トン以上の仕入れを予定する。運営受託から4年目の今期、初の黒字化を目指す。荷川取社長は「ピンチをチャンスに変えられた。加工品がおいしければ消費者は生のマンゴーを食べたくなる。宮古島マンゴーのブランド力向上に一役買いたい」と語った。

 市平良の1ヘクタールの土地でマンゴーを栽培する農家で、同社に規格外果実を出荷している男性は「大きな農家になればなるほど規格外に頭を悩ます。農家にとっては非常に助かる存在だ」と話した。