キングス 延長大逆転 大阪に勝率並ぶ Bリーグ第59戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区3位=27勝31敗)は6日、沖縄市民体育館で大阪エヴェッサ(同2位=28勝30敗)と第59戦を行い、延長の末に88―83で勝利した。第1Qから大阪の高い守備に苦しめられ、外からシュートが決まらず苦しみ続ける。流れをつかんでもすぐに取り返され、第3Qまで大量リードを許した。しかし第4Qに入り、レイショーン・テリーのドライブや渡辺竜之佑の泥臭いリバウンド、岸本隆一のここ一番で威力を放つ3点弾でじわりじわりと追い付くと、テリーのミドルで同点弾から徹底守備で延長にもつれ込んだ。延長戦は会場と一体となったキングスの気迫が大阪を圧倒し、全員が死力を尽くして打ち破った。3位のキングスが各地区2位以上の出場できるチャンピオンシップ(CS)に進出するためには、2位の大阪に2連勝することが絶対条件だ。ホーム2連戦のうち第1戦で逆転勝利を決めたことで、大阪と勝率が並んだ。大阪との対戦成績を2勝5敗とし、勝率は並んだが直接対決の結果により大阪が2位、キングスは3位。最終戦は7日午後6時から同体育館で行う。(観客3588人)

キングス 28勝31敗
 88―83(13―22,19―18,16―24,28―12,延長12―7)
大阪 28勝31敗

 【評】前半は大阪の高さのある守備の前に外から崩しにかかったが、リングに嫌われた。第3Qまで10点差以上を追い掛ける展開だったが、第4Qにレイショーン・テリーや岸本隆一の得点が続き、20点差を振り出しに戻して延長へつなげた。その勢いのまま全員バスケでリバウンドから攻撃につなげ、逆転勝利した。(嘉陽拓也)

◇明日は結果恐れずやる
 伊佐勉HC(キングス)の話 ホーム戦で本当に良かった。おかげで点が離されても選手全員がボールを追い掛け、1点ずつ返して守ることができた。やるべきことをやれば大阪ともこれだけ戦えると自信につながった。明日は結果を恐れずやろうと選手に伝えたので、暴れさせてあげたい。

◇20点差あり得ない
 桶谷大HC(大阪)の話 あり得ない。20点差をつけたのに、勝負を決め切れないなんて。しょうもないタフショットにターンオーバー。明日勝たへんかったら、自分らはもう生活できないとまで思っている。明日は(今日の)1~3Qまでやったことをするだけだ。

◇CS懸け きょう最終戦

キングス―大阪 第4Q、ゴール下でシュートを決めるレイショーン・テリー=6日、沖縄市体育館(新里圭蔵撮影)

 第4Qの残り39秒。レイショーン・テリーが放った同点のミドルシュートが、リングに吸い込まれた。慌てた大阪がタイムを取ったが、テリーが両手を挙げて観客をあおると大歓声がコートを包む。再開直後、アンソニー・マクヘンリーが大阪のシュートをブロックではじき返して延長戦につないだ瞬間、ファンは総立ちに。延長の末に全員バスケで最大20点差をはね返し、88―83の大逆転勝利をつかみ取った。

 第1Qは大阪の高さのある守備に外から崩しにかかったがシュートが決まらない。第2Qは山内盛久がスチールやパスカットなど守備で奮起、田代直希のドライブも光るが点差が縮まらない。第3Q、守備で津山尚大が狙われ、マッチアップする大阪の橋本拓哉を起点に崩されたが、会場の大声援に囲まれた選手の心は折れなかった。

 時間をかけたしぶといキングスの守備に大阪の得点源である外国人選手2人が攻めあぐねると、渡辺竜之佑がリバウンドで躍動し、金城茂之のキックアウトに合わせて岸本隆一がここぞの場面で3点弾。そこからテリーの連続得点で延長へつないだ。アンソニー・マクヘンリーの逆転弾の後、渡辺が相手ゴール下を脅かし、フリースローで突き放す。最後は徹底守備で勝利を決め、喜びをかみしめた。

 試合直後、誰も席を離れずに拍手と指笛を送り続けたファンの表情が喜びの全てを物語った。第4Qだけで12点を奪い、勝利をけん引したテリーは「生きるか死ぬかという戦いで求められた仕事をこなしたことで結果につながった。明日も相手の勢いを超えていく」と力強く語った。(嘉陽拓也)