「おおぎみファーム」清算へ 建設コンサル・オオバの沖縄子会社 植物工場、生産安定せず


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
解散した、おおぎみファーム(2013年12月)

 沖縄県大宜味村塩屋の企業支援賃貸工場で県内最大級の植物工場を運営していたおおぎみファーム(同村、西垣淳社長)が4月で会社を解散し、清算に入ったことが8日までに分かった。スポンジの中に根を生やす独自の土壌方式を採用したものの、安定した生産体制を確立できず、親会社が事業継続は困難と判断した。

 おおぎみファームは2013年に、総合建設コンサルタント「オオバ」(東京)が異業種参入して100%出資で設立した。資本金は1千万円。

 大宜味村が建設した賃貸工場に入居して栽培棚を整備し、14年夏からレタスやハーブ類の出荷を本格化していた。

 付加価値の高い食材として県内のリゾートホテルや大型スーパー向けに販売先を確保していたが、害虫被害や想定した成長速度を得られなかったことから注文に応じた生産量を確保できず、収益が低迷していた。17年3月期決算(予定)は売上高が1944万円、経常損失は3810万円と3期続けての赤字だった。

 グループの不採算事業からの撤退を検討してきたオオバは、4月13日付で子会社の解散を決議した。清算手続きを進め、6月末に賃貸工場を退去する。約10人の従業員は、村が公募する次の入居企業に雇用を要請していくという。