うるま特区にバイオマス発電所 イーレックス、国内最大規模


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 新電力大手のイーレックス(東京)が2020年度をめどに、うるま市の国際物流拠点産業集積地域うるま・沖縄地区に国内最大規模のバイオマス発電所を新設する方針が11日までに分かった。同地区内に立地する企業向けに沖縄電力より安い価格で電力を供給する見込み。バイオマス発電所の設置により、今後同地区への企業誘致の促進につながりそうだ。

 県が16年12月にバイオマス発電事業者1社を対象に同地区の分譲地を公募していた。近くイーレックスと契約を結ぶ方針。電力自由化を巡っては、大手総合商社の伊藤忠商事(東京)や新電力の洸陽電機(兵庫)が外部から電源を調達し、県内企業向けに電力を供給している。発電所の新設が実現すれば、電力会社間の競争が本格化し、一般家庭も電気料金の引き下げなどの恩恵を受ける可能性が高い。

 バイオマス発電所の投資額は100億~200億円とみられる。発電規模は3万~5万キロワット程度を予定している。発電所の出力を5万キロワット、稼働率を75%と想定した場合の年間の最大発電量は約4億3800万キロワット時。一般家庭の月間電力使用量を260キロワット時とした場合、約10万世帯分の年間使用量に相当する。

 イーレックスの広報担当は「何も決まっていないので、答えられない」と話した。(呉俐君、吉田健一)