県内3行、純利益計28%減 17年3月期、マイナス金利で収益悪化


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 県内地銀3行の2017年3月期決算が12日までに出そろった。16年2月に日銀がマイナス金利政策を導入して貸出金利回りの低下に拍車が掛かり、3行合計の連結純利益は前期比27・9%減の139億1600万円となった。純利益が減少に転じるのは12年3月期以来5期ぶり。マイナス金利政策で収益環境が悪化していることが鮮明となった。

 銀行単体で本業のもうけを示すコア業務純益は、琉球銀行が14・4%減の73億3300万円、沖縄銀行が22・2%減の79億1300万円、沖縄海邦銀行が18・3%減の14億7600万円となり、3行ともに前期を下回った。
 3行合計の総融資量を見ると、前期比5・9%増の3兆3117億900万円に拡大した。好調な県経済を背景に不動産関連の融資や個人向けローンが伸長するなど、取引先企業や個人の資金需要に底堅さが見られた。一方で貸出金のボリューム拡大を上回って金利の低下が進み、利息収入は前年よりも縮小した。各行は今後も厳しい環境が続くと見ており、18年3月期の連結業績予想はいずれも減収減益を予想している。
 各行の連結決算で売上高に当たる経常収益は合計で0・8%増の1248億4300万円、経常利益は13・2%減の209億6600万円だった。