Suica 沖縄県内利用も 国交省検討 観光客の利便性向上


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 国土交通省が、2020年をめどに「Suica(スイカ)」などの全国的な交通系ICカードを県内のバスやモノレールで使えるようにする仕組みを検討している。沖縄総合事務局が12日、「沖縄の新たな交通環境創造会議」報告会で明らかにした。一方、県内で利用されている「OKICA(オキカ)」が県外で使えない状況は変わらない。

 Suicaなど全国で利用できる交通系ICカードは現在10種類ある。一方で沖縄、愛媛、高知の3県などでは地域内でのみ使えるカードが発行されている。沖縄ではコスト面の理由から共通利用システムの導入を見送った経緯があるが、利便性を巡り観光客から不満が寄せられていた。国交省は、片利用共通接続システムを作ることで、地方が負担する費用を抑えられるとしている。

 会ではICカードの利便性改善で公共交通の利用促進を狙うほか、「新たな交通環境創造会議」は路線バスの運行体制を見直し、県内の渋滞解消に取り組むことも報告された。那覇―沖縄(コザ)間で基幹バスを運行し、バスターミナル整備を重点的に行う。将来的なバス自動運転に向けて、6月に石垣市で地元住民と観光客をモニターとした自動運転実証実験を行う。