FA18乗員、酸欠の懸念 米海軍「事故原因の可能性」


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 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米海軍の主力戦闘機のFA18戦闘攻撃機で、パイロットが飛行中に低酸素症や酸素欠乏症、意識障害を起こす危険性があることが分かった。県内では、米海兵隊の岩国基地(山口県)所属のFA18が普天間飛行場や嘉手納基地にたびたび飛来している。

 米メディアFOXニュースは11日、匿名のパイロットの証言などを基に、同機の老朽化による酸素供給装置の故障など安全性に懸念があると報じた。米海軍は最低3件の致命的なFA18墜落事故で、低酸素症や酸素欠乏症が「事故原因の可能性がある」と証言したという。軍当局も問題を認識しており、米議会下院軍事委員会から入手したメモによると、2009年以降、パイロットの低酸素状態の事例が増加していると報じている。

 同型機は昨年12月、高知市沖に岩国基地所属のFA18が墜落。今年4月には、朝鮮半島周辺海域に向けて航行中の米原子力空母カール・ビンソンで着艦事故が起こった。米海軍安全センターはこの2件を、事故の規模を最も重大な「クラスA」に分類している。