優作、序盤猛ラッシュ 日本プロ日清カップ 賞金ランク首位浮上


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 日本プロ選手権日清カップ最終日は14日、名護市のかねひで喜瀬CC(7217ヤード、パー72)で行い、前日から順延された第3ラウンドの残りと最終ラウンドが行われ、宮里優作が2打差の2位から出た最終ラウンドで8バーディー、2ボギーの66をマークして通算12アンダー、276に伸ばし逆転優勝した。5年シードを得られる国内三大大会は初制覇。4月末の中日クラウンズに続くツアー2連勝で通算5勝とした。賞金3千万円を獲得。賞金王ランキングでトップに立った。3打差の2位はブラッド・ケネディ(オーストラリア)。第3ラウンドまで首位の谷口徹は72とスコアを伸ばせず、小平智と並び通算8アンダーの3位だった。(観衆6344人)

◆地元大声援 原動力に/ベテラン・谷口振り切る

最終18番、優勝が決まり、嬉しさからカチャーシーを踊る宮里優作

 国内三大大会初優勝に沸く最終18番グリーンの真ん中で宮里優作は両腕にぐっと力を込め、小さくカチャーシーを舞った。

 日没サスペンデッドで残った4ホールを含む22ホール7時間の長丁場。同組で首位の谷口徹を序盤でようやく捉え、バーディー量産でじりじりと離した。「地元の利じゃないけど、目に見えない何かがあった」。「行け行け」「優作っ」の気さくな大声援が、パットを沈めた原動力となった。

 梅雨の蒸し暑い晴れ間の最終日は、雨を含んだ芝に苦戦した前日から一転した。「グリーンが乾いて転がりが良かった」。好調なショットとパットが良好な芝とかみ合ってスタート1番から2連続バーディー。3番でパットがカップにはじかれてボギーとするも4番からのバーディー3連発で完全に波に乗った。

 しかし、気持ちは冷静だった。やんやの喝采の中でも「メジャーを勝つために絶対に越えないといけない壁。一番怖かった」という49歳のベテラン谷口を警戒し、気を緩めることはなかった。

 後半12、13番での好アプローチからのバーディーが鍵となる。「パーで行く」つもりの難関13番はロングパットがギャラリーの「入れ入れー」の掛け声とともにカップイン。谷口には4打差をつけていたが、18番のティーショットをフェアウエーに乗せて「初めて勝利を確信した」と慎重だった。

 中日クラウンズからの2連勝となったが、決してプレーの調子がいいわけでなく「背伸びしていないのが逆にいいのかも」と分析する。

 ツアー5勝にも「300回は負けてる。最終組で負けた試合から得るのが大事」と戒める。11月にはPGMチャンピオンシップで再び沖縄へ。長く続くシーズンで「とにかく結果を出す」挑戦への英気を故郷で養い、一戦一戦を戦い抜く。(石井恭子)

トロフィーを前に笑顔の宮里ファミリー