[ココロ・カラダ不思議つながり]4 将来の夢がない。


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Q.将来の夢がない。どうしたらいい?

 

 今日の相談は、将来の夢がない人はどうすればいいですか? 生きる意味って何だろうって考え出すと頭がぐるぐるしてしまいます。どうしたらいいですか? です。中学2年生の相談です。

A.今を見ることも大事

 

 もしかしたら夢に向かって頑張っていなくちゃいけないっていうプレッシャーがあるのかな? それとも、進路や職業についての授業があって考え始めたのかな?

 夢に向かって頑張っている人がいてもいいし、まだ見つかっていない人もこれから見つけていけばいい、ずっと夢を探し続ける人がいてもいい、と私は思います。

 ところで、夢って先のことだよね。ずっと先を見ながら歩いていると、足元の石につまずいてしまうこともあります。先を見ることと同じくらい、今・ここを見ることは大事です。

 今のこと、身近なことを大切にして、今日一日、自分のできることをしっかりやっていると、その中から「これをやっているときが楽しい」とか「やりがいを感じる」などというものが見つかるときもありますよ。

 それを夢と呼べるかは分からないけど、一生につながっていくものだと思います。

 「人が生きる意味」というような根源的なもの、誰にでも共通するような、一つの答えが出ない問題を真剣に考えるのも思春期の特徴です。これは心がおとなに向かって変化しているしるしです。自分なりの答えを探さないといけないから、頭がぐるぐるしちゃうし、苦しいよね。

 周りの仲間で一緒に考えたり、話をしたりできそうな人はいますか? いない場合は本を読んで、いろんな人の意見に触れるのも参考になります。

 それからぜひ、おとなにも相談してください。答えをもらうのが目的ではなく、話すことで自分の考えが整理できるのでオススメです。そのため、アドバイスを押しつけない人がいいです。頭がぐるぐるするのが少しましになりますよ。前に紹介した匿名でかけられる電話相談も、何度でも使えるから活用してね。

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。