沖縄県内待機児童2253人 沖縄市とうるま市が大幅増 4月速報値


この記事を書いた人 平良 正

 4月1日時点で沖縄県内の認可保育所に入れない待機児童数が2253人に上っていることが県がまとめた速報値で明らかになった。県全体では昨年よりも283人減少しているものの、市町村別ではうるま市で202人、沖縄市で84人など、大幅増となる自治体もあった。県は来年3月までの待機児童解消を目指しているが、目標の見直しなどが迫られそうだ。

 昨年同期比から待機児童数が減少したのは41市町村中14市町村で、増加したのは10市町村、増減なしは17町村となった。待機児童数が多かったのは沖縄市444人、うるま市333人、浦添市236人と続いた。

 那覇市は昨年4月時点で待機児童数が県内で最も多かったが、本年度は前年度比359人の大幅減となる200人で推移し、県内4番目となった。

 那覇市以外では、石垣市が前年同期比116人減となったほか、読谷村50人、南風原町37人、宜野湾市32人、糸満市31人の減となった。本部町は昨年の待機児童数が8人だったが、待機児童ゼロになった。

 一方、八重瀬町は昨年4月1日時点で待機児童ゼロを達成していたものの、今年は待機児童数が60人となった。待機児童の年齢別内訳は1歳児が1199人で最も多く、0~2歳児が全体の85・4%に上った。

 待機児童数が2千人台で推移していることについて、県子育て支援課の担当者は「16年度は施設整備はかなり進んだが、待機児童が増えた自治体は予想より応募数が上回っていたようだ」と分析。「増えた自治体に、対策をどう取るのかを聞いた上で支援策を市町村と話し合っていきたい」と語った。

 大幅に増加したうるま市の担当課は要因について「認可保育園の新設などで受け入れ可能な定員数を約500人増やしたが申込者数も昨年4月と比べ、増加傾向にある」と説明した。同市は本年度から待機児童対策班を設置し対策を検討している。対策班担当者は「待機児童の大半が0~2歳児だ。分園などの施設整備を中心にスピードアップして取り組みたい」と話した。

 沖縄市の担当者は「市民に『入れる認可施設が増えている』という認識が広がってきており、申込数が増えている」と増加要因を説明。市は3年計画で認可外の11施設を認可化し、約5千人分の受け入れ枠を整備する計画だ。同担当者は「申込数の増加は見込みの範囲内だ。着実に計画を進めていきたい」と話した。