ステルス35機が探知されずに飛行? トランプ大統領「かっこいい」


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 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】トランプ米大統領は14日までに、マティス国防長官が2月に東京を訪問した際、F35最新鋭ステルス戦闘機35機が日本上空をレーダーに探知されずに飛行していたとの認識を示した。米タイム誌のインタビューで答え、その飛行を「本当にかっこいい(pretty cool)」と述べた。

 米戦闘機の配備状況についての事実認識が薄い上に、「かっこいい」と話す大統領の軽々しい発言に、米CNNは「大統領は日本で最新の米国戦闘機が何をしているか、少し混乱しているようだ」と皮肉って報じている。

 F35は米国外で初めて岩国基地(山口県)に配備され、計16機の配備予定のうち、10機が国防長官訪日前の1月に到着した。同機は米軍嘉手納基地、普天間飛行場、伊江島補助飛行場などを使用する予定とされ、キャンプ・シュワブを使用する可能性も指摘されている。

 大統領はインタビューで「(F35の飛行は)誰もが『一体どこから飛来したのか』と言っていた。あれがステルス機能だ。本当にかっこいい」と言及。

 また、安倍晋三首相の会談についても語り、「安倍首相と最初に会った時、まず彼は私に『ありがとう、ありがとう』と言った。私が『何に対して?』と聞くと、あなたのおかげで1億ドル(約113億円)を節約できたと。彼らは(F35を)90機買うグループの一員だからだ」と述べた。大統領は就任前からF35製造元の米航空防衛機器大手ロッキード・マーチンに値下げの圧力をかけていた。

 CNNによると、大統領は4000億ドル(約45兆円)という歴史上で最も高価なF35プログラムのコスト削減を主張。4月のAP通信とのインタビューで、「2月の90機の発注で7億ドルを節約する責任を負った」「日本は10か12機を購入しているはず」と述べたという。