「5年内停止」は困難 辺野古の進捗理由に 普天間飛行場負担軽減会議


この記事を書いた人 平良 正

 【東京】沖縄県と政府、宜野湾市は17日、首相官邸で普天間飛行場の2019年2月までの運用停止(5年以内の運用停止)などを協議する普天間飛行場負担軽減推進会議の作業部会を開催した。県は5年以内運用停止の順守を求めたが、政府側は移設先となる辺野古新基地建設の進捗(しんちょく)状況を理由に改めて困難視した。政府は普天間飛行場の運用状況などを把握するため、本年度予算で全機種の飛行実態調査を4月から実施していると説明した。県は調査結果の速やかな公表を求めた。

 同部会の開催は昨年8月以来。今後、継続的に話し合うために県と政府間で調整し、推進会議本体の開催も検討する。

 名護市辺野古の新基地建設は護岸工事が始まったが、会議で議論にならなかった。部会には富川盛武副知事、宜野湾市の松川正則副市長、杉田和博官房副長官らが出席した。会議の概要を富川副知事が記者団に説明した。

 県は(1)普天間飛行場の運用状況(2)5年以内運用停止の工程表(3)オスプレイ12機程度の県外拠点配備―の3点を提案した。さらに、SACO合意に反する嘉手納基地でのパラシュート降下訓練の禁止の徹底、普天間所属機の訓練移転年間計画の詳細な内容の提示も求めた。宜野湾市は激化している夜間騒音の軽減を強く求めた。

 5年以内の運用停止の定義について、政府側は「定まってない」との認識を改めて示しながら、辺野古新基地との関連を指摘した。安倍政権は沖縄県との間で「5年以内の運用停止」を約束しているが、政府は翁長雄志知事の反対姿勢を理由に困難視している。

 飛行実態調査について県は2~3月、飛行実態を調査し、オスプレイの県外への訓練移転時に全機種の離着陸数は多くなっていた。だが政府は「平日と休日の差がある」などと改めて詳細な調査を要求。富川副知事はデータ分析を進めながら負担軽減を求める考えを示した。

 菅義偉官房長官は17日の会見で「基地負担軽減が目に見えるような形で実現するよう一つ一つ取り組みたい」と述べた。