粟国の特産5品開発 地域おこし隊・宮本さん「島の良さ伝えたい」


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 【粟国】人口708人(3月31日時点)の粟国村。島の魅力をより多くの人に伝えるため、地域おこし協力隊として試行錯誤を続ける女性がいる。自らを「島マニア」と呼ぶ宮本真理さん(40)=東京都生まれ、埼玉県育ち=は、粟国島に魅了され約1年前に島に移住した。特産品開発を担当し、昨年度は「もちきび麺」や「粟国島カレー」など五つの商品を開発した。「他の島にはない粟国の良さを伝えて、移住者を増やしたい」。「粟国島が好き」というあふれる思いが、宮本さんを突き動かしている。

粟国島の形が一目で分かる「粟国島カレー」や「黒糖ミルクプリン」を薦める宮本真理さん(左)と「喫茶まはな」スタッフの与那康旬さん=4月24日、粟国村の「喫茶まはな」

 開発したのは、粟国島の塩を使った「塩サイダーキャンディ」、特産のもちきびを使った「もちきび麺」と「粟国島もちきび生麺」。島の西側にあるパークゴルフ場に併設された「喫茶まはな」では、新メニュー「黒糖ミルクプリン」と「粟国島カレー」もプロデュースした。

 これまでに訪れた島の数は75。「粟国島は小さいけど、古い地層が大迫力で見られる崖やビーチ、鍾乳洞などたくさんの景色に出合える。集落が密集し、車がなくても大丈夫なところも好き」と語る。一周道路はなく、途切れている道もあるが「不自由さも含めて島が楽しい」と言い切る。

 特産品やメニュー開発に力を入れた理由について、宮本さんは「粟国島には、かりんとうや塩などの特産品はあったが、手軽に配れるお土産の種類は少ないと感じたから」と語る。

 粟国村観光協会が運営する「喫茶まはな」は、以前からもちきびを使ったご飯のカレーを提供していた。スタッフの与那康旬さん(63)によると、観光客が決して多くない島では一からカレーを作っても廃棄となる量が多いため、インスタントカレーを使う。

 宮本さんは、ご飯でダムを形作る「ダムカレー」にヒントをもらい、ご飯で島の形を表現できるよう、型を注文。「粟国島カレー」が誕生した。「インスタントでも島っぽさを楽しめる。島の形も覚えるし、知名度向上には大切な、写真を撮りたくなる要素がある」と語る。与那さんは「少しずつ売り上げも伸びている」とうれしそうに話した。

 今後は、来島者や移住者の増加、村民の満足度向上などのために地域おこしを続ける予定だ。「子どもは人との関わりの中で育つ。島の子どもたちのためにも、できるだけ多くの人にこの島について知ってほしい」と目を輝かせた。(半嶺わかな)