南部水道、特定職員に給与お手盛りか 23人のうち部長級3人


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 不適切な給与引き上げなどが行われていた南部水道企業団で、課長職と比べて給与が高い部長級の「参事」職が創設され、職員23人のうち部長級が3人いたことが23日までに分かった。構成町の八重瀬町は職員210人に対して部長職を置いておらず、企業団の参事職設置の異例ぶりが浮き立つ。琉大法科大学院の井上禎男教授(行政法)は「特定の職員にお手盛りで給与を支給していたと言われてもおかしくない」と指摘している。

 構成町の一つ、南風原町は特別職などを除く町職員219人に対して部長級職員は5人。一方、南部水道企業団は2016年度末まで課長2人が参事職を兼務していて、次長と合わせて部長級職員が計3人いた。

 企業団は10年4月、内部規則を改正し、参事職を創設した。本紙取材に対して「当時、業務が煩雑で地域水道ビジョンの策定やアセットマネジメント(資産運用業務)などの特命事項を遂行する必要があった」と理由を説明した。

 課長職の男性は11年6月に「参事兼課長」に昇任し、月給が約41万6千円から約43万6千円へと2万円上昇した。別の課長職の男性は14年4月に「参事兼課長」に昇任し、月給が約41万6千円から約43万8千円へ約2万2千円上昇した。企業団が参事職創設の理由の一つに挙げた地域水道ビジョンは12年3月に策定されており、課長の1人はその後に参事職に就いたことになる。

 企業団は17年度から参事職を廃止し、課長2人の参事職兼務を解いた。企業長職務代理者の玉城秀樹次長は取材に対し「参事職は職員規模にふさわしくないと判断した」と語った。