小遣い少ないけど家族思い 沖縄県内お買い物行動・意識調査


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 電通沖縄は23日までに、東京との比較で沖縄県民の消費実態を明らかにする「沖縄県内のお買い物行動・意識調査」をまとめた。1カ月で自由に使える金額は「1万円未満」が32・5%を占め、「1万~2万円未満」「2万~3万円未満」がそれぞれ約2割だった。3万円未満に7割超が集中(東京は51・0%)するなど、東京に比べてお小遣い事情は厳しい一方で、行事や催事での購買率は沖縄の方が高い結果となり、両親にプレゼントを贈る割合の高さなど家族を大事にする県民性も見て取れた。

 調査は2月20~27日にインターネットによるモニター調査を実施し、沖縄と東京の各200人を対象にした。対象年齢は18~69歳。県民の男女比は男性が54%、女性が46%だった。

 買い物に対する意識では、沖縄の回答者の81・5%が「ポイントカードを持っているお店で買い物をする方だ」に該当。買い物に関するニーズでも46・0%が「ポイントなどの特典が豊富」を重視する項目に挙げた。電通沖縄メディア・ソリューション部の伊東真知子さんは「ポイントの魅力をどう高めるかが、県内市場で重要な項目になる」と指摘した。

 買い物へ行く場所は、平日は「小型スーパー」が74・5%と最も多く、休日は「ショッピングセンター・大型スーパー」が75・0%で最多だった。インターネットショッピングの利用率は、沖縄と東京で差はほぼなかった。

 最近1年間の各イベントで買い物したかを聞いたところ、「年賀・お年玉」(沖縄55・5%、東京38・5%)「クリスマス」(沖縄43・0%、東京32・5%)など、ほとんどの行催事で沖縄の方が消費割合が高いか同等だった。

 「母の日」(沖縄37・5%、東京30・5%)や「父の日」(沖縄29・0%、東京16・0%)、「敬老の日」(沖縄10・0%、東京6・0%)の贈り物などでも東京を上回り、普段の生活の中で大切にする関係として「家庭生活」の比重が大きい。伊東さんは「清明祭など独自の行催事もあり、ルーツを大事にする価値観があるのではないか。季節の行事やイベントを通じて、人とのコミュニケーションを文化で残していると見ることができる」と分析した。