泡盛消費拡大に力強い味方? 検討会でさまざまな提言


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
泡盛製造業の振興に向けて話し合う関係者ら=24日、那覇市の沖縄総合事務局

 沖縄の泡盛製造業の自立経営確立を目指し、内閣府沖縄振興局が設置した「沖縄の酒類製造業の振興策に関する検討会」(座長・小泉武夫東京農業大名誉教授)の第2回会合が24日、那覇市の沖縄総合事務局で開かれ、空手と組み合わせた泡盛の消費拡大策や酒造所の経営改善へ提言があった。

 非公開で行われた検討会で花牟礼真一・三井物産那覇支店長は、世界に1億人以上いるとされる空手愛好家をターゲットとしたPRの可能性を語った。かつては空手家が泡盛を貯蔵した甕(かめ)を手に持って鍛えたほか、琉球王朝時代には貴重な泡盛を輸送する際、空手家が警護の役割を果たしたとの話もあると指摘。泡盛と空手の歴史的なつながりを絡めることで、世界的な需要が喚起できるとした。

 下地芳郎琉球大教授は酒造所の3割が赤字経営という厳しい実態を踏まえ、経営改善の必要性を訴えた。具体的には行政や酒造組合、金融機関で組織する新たな組織を立ち上げ、金融機関の職員を酒造所に派遣し、経営改革プランの策定を支援することを要望した。経営健全化の一つの手段として、酒造所同士の経営統合も今後の検討材料の一つに挙げた。