悲劇繰り返さない サイパンで戦没者慰霊祭


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 太平洋戦争末期の1944年、南洋群島の激しい地上戦で犠牲になった県出身者を鎮魂する「第48回全南洋群島沖縄県人戦没者慰霊祭」が27日、米領サイパンの「おきなわの塔」で行われた。サイパンの戦闘で犠牲になった人々を追悼し、戦争の悲劇を二度と起こさない決意を新たにした。

 慰霊祭に参加した南洋群島帰還者会の上運天賢盛会長(85)は44年、幼くしてサイパンで戦争に巻き込まれ、住民らが自ら身を投げて命を絶つのを目撃した場所を思い返した。上運天会長は「戦争を知らない世代が増え、戦争の話をしても昔の話をしていると捉える若者が多くなっている。政府がやっていることは戦前の様相を呈しており、怖くなってきている」と危機感を示し「戦争を二度と起こさせないようにしたい」と祈りを込めた。

 一行は28日、テニアンで行われる慰霊祭に出席する。南洋群島帰還者会の関係者に加え、県議会の赤嶺昇副議長も参加している。