対馬丸へ歌声届け 児童合唱団が結団式


社会
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結団式で歌の練習をする児童ら=27日、那覇市の対馬丸記念館

 那覇市の小学生を中心に結成され、平和の歌などを歌う「つしま丸児童合唱団」の本年度の結団式が27日、那覇市若狭の対馬丸記念館で行われた。同合唱団は2012年度にスタートし、6年目。市内外の幼稚園児から小学6年生までの計27人が所属し毎週土曜に活動する。6月23日の沖縄全戦没者追悼式や、8月22日の対馬丸慰霊祭で合唱を披露する。

 結団式で児童らは、団長の高里千穂子さんの指揮で「ねがい」「ビリーブ」「月桃」などを合唱し、保護者らの見守る中で息の合った歌声を響かせた。

 小学1年のころから所属している那覇市立天妃小学校5年の吉浜恋菜(れな)さん(10)は「戦争で多くの人が犠牲になった。平和がどれだけ大切か知ってほしいとの思いで歌う」と強調した。同校5年の玉城碧乃(あおの)さん(10)は「他の学校の友達もできる」と楽しんでいる様子だった。8月の対馬丸慰霊祭に向けては「亡くなった人たちへ思いが届くように歌いたい」と語った。

 対馬丸記念館の宇根一磨学芸員は6年目を迎える合唱団に関し「(学年を重ねるごとに)徐々に平和の種が育ってくる。大人になっても平和の心を届けてほしい」と期待を込めた。