画家と写真家が2人展 木村浩子さん、山城博明さん、平和問う


社会
この記事を書いた人 松永 勝利
作品展を開いた山城博明さん(左)と木村浩子さん(右)=31日、県立博物館・美術館

 画家の木村浩子さんと報道カメラマンの山城博明さんが、沖縄の抱えている現状と平和に対する思いを形にした作品展「抗う南風と琉球すみれ 二人展」が30日から、那覇市の県立博物館・美術館の1階県民ギャラリーで開かれている。6月4日まで。
 木村さんは2歳で脳性まひと診断され、唯一動く左足指で、墨絵や短歌、水彩画を描く。1983年に故郷の山口県から沖縄に移住した。淡い色使いで描かれた作品には少女や植物が多く「沖縄の優しさを表現するには女の子やお花だと思った」と笑顔で話した。
 沖縄が好きで「うちなんちゅが本当に大好き」と語る木村さんだが「最近はうちなんちゅのアイデンティティが薄れている」と指摘し「誇りを持って生きてほしい」と語った。
 山城さんは琉球新報社の記者をしていた時に、取材で木村さんと出会い「障がいを持っても諦めない姿勢、生き方に感動した」と木村さんの印象を語る。
 木村さんが沖縄を「優しさ」で表現したのに対し、山城さんの作品はフェンスの外から見る基地の様子や、米軍が残した空の砲弾で遊ぶ子どもたちなど、基地を抱える沖縄の実際の姿を撮影し「リアリズム」を持って伝えている。
 山城さんは「私と木村さんの作品は真逆に見えるかもしれないが、どちらも平和とはなにかが原点になっている」と共通点を語った。【琉球新報電子版】