リングで成長 立ち直りの居場所づくり 格闘技「真仁会」の謝花良仁さん(35) 「変わりたい」少年らの力に


この記事を書いた人 平良 正
「少年たちの目標にしたい」と謝花良仁さんが立ち上げたアマチュア格闘技イベント「CORE」=2016年5月(提供)

 【中部】アマチュアのキックボクサーで、格闘技団体「真仁会」所属、謝花良仁さん(35)=うるま市=が、格闘技を通して少年たちの居場所づくりに奔走している。けんかや暴走行為など非行に走る少年たちに「(大会出場を)目標にし、熱中できるものを見つけてほしい」との思いで、3年前に格闘技イベントを始めた。徐々にイベントの知名度が上がり、リングに上がりたいと希望する若者が増えている。謝花さんが主宰する格闘技イベント「CORE9」が4日午後5時から沖縄市のミュージックタウン音市場で開かれる。

謝花良仁さん

 中学、高校時代と暴走行為などしていたという謝花さん。「エネルギーを発散する場所も熱中することもなくて、夜遊び歩いていた」

 家業の電気工事で生計を立てていたが30歳の頃、知人の勧めでキックボクシングの試合に出場することになった。試合に向け、体力増強のために禁煙し、飲酒も控えるようになった。練習するうち「どうせ出るなら、思いっ切りやろう」との思いが自然と芽生えた。

 パンチとキックを織り交ぜた攻撃でデビュー戦をTKO勝ちで飾った。会場を埋め尽くすほどの観客から大歓声を送られた。「こんな経験、人生でなかなかない」

 「『変わりたい』と強く思っている子たちの力になりたい」。自身と同じような経験をした少年らに「何か熱中できるもの、目標となるものを見つけてほしい」と、2015年に知人と格闘技イベントなどを手掛ける民間団体「CORE」(コア)を発足させた。

 発足当初、出場者を集めて運営していた大会も、今では「自分を変えたい」「脚光を浴びたい」と、出場を希望する若者が増えてきた。スパーリングなどで技術を習得するだけでなく、格闘技を通して忍耐強くなったり、あいさつなど礼儀作法が自然に身に付いたりするなど、選手たちにも変化が生まれているという。

 イベントを「不良少年の集まり」と言う人もいるというが、謝花さんは「熱心に練習して生まれ変わった子たちを見てほしい」と語る。年に4回、那覇、浦添、沖縄、うるま市でイベントを開催している。

 アマチュア格闘技イベント「CORE9」は4日午後4時開場、同5時開始。前売り券は3千~5千円(税込み)。当日券はプラス500円。

 問い合わせは(電話)090(9784)8372(謝花)。
 (上江洲真梨子)