現役女子大生が貿易会社設立 仲嶺さん、仲西中で講演


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「一生懸命好きなことをやって」と仲西中の生徒らにメッセージを送る仲嶺友芽さん=5月26日、浦添市の同校

 【浦添】浦添市立仲西中(松田孝校長)は5月26日、浦添市出身で、現役女子大生として貿易会社を立ち上げた仲嶺友芽(ゆうめ)さん(21)を招いた講演会「夢実現ing~自分を好きになることから~」を同校で開いた。今年2月に貿易会社「リンクパートナー」(本社・東京)を設立し、ミャンマーやタイにマグロやウニなど30種類の日本の新鮮な魚を輸出しているという仲嶺さんは、古里の後輩たちに「今の時期に好きなことを増やして、精いっぱい楽しんでほしい。やらないで後悔するより挑戦してみるべきだ」とエールを送った。

 仲嶺さんは浦城小、港川中、興南高を卒業後、国士舘大21世紀アジア学部に入学。大学では「外語大生に負けたくない」と専攻する学生が少なかったビルマ語を選択していた。国内事業者の案内でミャンマーを視察した。

浦添市出身の仲嶺友芽さんの講演に真剣な表情で聞き入る仲西中の生徒ら

 現地調査を繰り返す中で、現地の日本食レストランのオーナーや水産関係者と出会った仲嶺さんは「貿易会社を立ち上げ、日本のいい魚を輸出したい」と起業を決意。日本とミャンマーを往復する生活に「好きなことを仕事にする『ライクワーク』で、自分自身の成長も実感している」と充実した表情で語った。

 現在、一月に約300~400キロの魚を日本から買い付け、現地の日本食レストランなどに卸している。「お世話になった現地の人のためにも雇用の場をつくりたい」と、事業収益で購入した稚エビをミャンマーの養殖場で育てており、7月にはブラックタイガーを日本に輸入する予定だ。

 仲嶺さんは生徒らに「人との出会いを大切にし、『自分のことが好き』と肯定してほしい。将来の夢を実現しているかっこいい自分の姿を想像して、今やった方がいいことに挑戦して」と呼び掛けた。

 仲嶺さんの講演を聴き、小学校の教師になる夢を実現させたいと思ったという山城海晴(かいせい)さん(13)=1年=は「ライクワークの話に共感できた。将来、やりがいのある仕事をしたい」と話した。生徒を代表してお礼のあいさつをした當山由衣花さん(13)=2年=は「何もしないよりは、失敗してもいいから挑戦した方がいいと思った」と述べた。

 仲嶺さんに「一緒にミャンマーに行こう」と誘われた伊志嶺瑛(はな)さん(14)=3年=は「ミャンマーの貧しい人たちにも仕事を与えようとしてすごいと思った。仲嶺さんのようになりたい」と目を輝かせた。