警告サイン表示、連絡2分後着陸 普天間所属機、久米島空港に初の緊急着陸 県や地元は抗議


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 1日午後1時ごろ、沖縄県久米島町の久米島空港に米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプター1機が緊急着陸した。久米島空港への米軍の緊急着陸は今回が初めて。久米島町では2005年、米空軍のHH60救難ヘリが農道に緊急着陸した経緯がある。

 県基地対策課は同日「人的被害はなく、民間航空機への影響もなかったが、町民に大きな不安を与えており、誠に遺憾だ」として、原因究明と安全管理の徹底を沖縄防衛局に口頭で要請した。町も米軍と防衛局に口頭で強く抗議した。

 久米島空港管理事務所によると、午後0時58分ごろ、那覇空港事務所を通じて米側のヘリから連絡が入り、同機はその2分後に緊急着陸した。

 ヘリが緊急着陸した後、空港では午後2時ごろから通報を受けた警察官らが事実確認に当たった。県警によると、空港の滑走路などに被害は確認されていない。

 同機は午後3時15分に久米島空港を離陸し、同50分ごろ、米軍普天間飛行場に着陸した。緊急着陸の原因について、米海兵隊は取材に対し「通常訓練中に操縦室で警告サインが表示されたため、午後1時半ごろに最寄りの久米島空港に『予防着陸』した」と説明した。

 普天間飛行場を抱える宜野湾市には午後2時20分ごろ、沖縄防衛局から通報があった。その際、市担当者は「原因が分からない中で普天間飛行場に戻ってくることは市民に不安を与える」と伝えたが、同機が久米島空港を離陸したことや普天間に着陸したことは事後で知らされた。

 同市は沖縄防衛局に詳細な情報の提供を求め、対応を検討する。